ストレス時代をたくましく生き抜く③ ストレスの原因と感情の変化
2026/01/21
今後の見通しが立たない時や、大切なものをなくしてしまうのではないかという恐れがある時や、危害を加えられるのではないかと思われる時には「不安」な気持ちになりますよね。ストレスが原因の不安は、動悸や震え、頭痛、不眠などの身体症状や、漠然とした不安感、イライラ、集中力の低下などの精神症状として現れるのですね。不安だと自覚していなくてもイライラしたり、集中力がなくなって、結果としてまとまった仕事ができず、ますますイライラが募るということもあるような気がします。ストレスは感情や衝動を抑制している前頭前野の支配力を弱めてしまうので、視床下部などの古い脳領域の支配が強まった状態になり、不安を感じたり、普段は抑え込んでいる衝動(欲望にまかせた暴飲暴食や薬物乱用、お金の浪費など)に負けたりするのだそうです。
もう少し詳細に見ると感情やストレスに関係するのは扁桃体というところだと言われています。扁桃体は脳の左右にある神経細胞の集まりで、形がアーモンドに似ていることから、「扁桃(アーモンドの和名)」という名前がついたのだそうですが、特に「恐怖」「不安」など、ネガティブな感情に深く関係しています。しかも、何かを見たり聞いたりしたときに、扁桃体はその内容をじっくり判断するのではなく、「これは危険か?」ということを意識する前に一瞬で判断して「危険だ」「不快だ」と感じると、視床下部からストレスホルモン(ストレス刺激で分泌され、反応を引き起こすホルモンの総称)が分泌されて血圧や心拍数が上がったり、筋肉が緊張したりして、「動悸」「手足が震える」「汗をかく」「吐き気」などの体の症状が現れるわけです。その後に「恐怖」や「不安」の感情がはっきりと感じられるようになるといいます。
また、身体が緊張した状態が続くと、扁桃体は他人の表情をよりネガティブに受け取るようになり、周りの人を怖く感じてしまいます。そうすると、仕事で困ったときも気軽に周りに相談できず、一人で抱え込んでしまうことになりますよね。さらに、周囲の人が「怖がっている顔」や「怒っている顔」をすると、扁桃体はさらに強く反応してしまうというのです。他人が怖がっているのを見ると、「自分にも危険が迫っている」と感じ、他人が怒っていると、「自分が攻撃されるかもしれない」と判断するからです。つまり扁桃体は、「危険」と思ったらすぐに体を緊張させたり、不安や恐怖の感情を起こしたりして、命を守るようにできているということなんですね。
看護部顧問 坂田 三允
2026年を迎えて
2026/01/07
院長 中島 直
2026年が始まりました。
2025年は皆さんにとってどんな年だったでしょうか。そして、2026年はどんな年になるでしょうか。
私にとっては、2025年はこの病院の院長のみでなく理事長も兼任し、名実ともに責任者になった年です。そして、2026年はある程度の形を作っていく年だと思っています。
「あるべきリーダー」みたいな本や情報にも接してみましたが、しっくり来るものは多くありませんでした。参考にしながらも、自分で考えながらやっていくしかないと思いました。
当院は「なるべく断らない医療」を実践しているつもりです。当然の結果としてかなり大変な方が来ます。措置入院や鑑定入院も受け入れていますが、それ以外の入院形態でもいろいろな方がみえます。「勉強になる」とは多くのスタッフから言ってもらえています。しかし、「大変な人をケアしているから」と言うことで、スタッフに対して何か特別の待遇ができるわけではありません。
そもそも医療は現在非常に厳しい状況に置かれているのは報道されているとおりです。物価が上がり、必要な経費が上がる一方で、病院の収入の中心である診療報酬は厳しく規定されていて、勝手な値上げなどができません。職員の給料アップもありますがわずかなものです。そして、本来であれば、大変な人にはそれだけの人手をかけ工夫をしなければいけないので、それに見合った診療報酬が欲しいところですが、日本の診療報酬はそういうふうになっていません。こういうのも苦しいところです。
幸いにして、当院にはいいスタッフがたくさんいます。なるべくその力を生かし、阻害しないようにしていきたいと思っています。「スタッフを大切にする」ということです。スタッフを大切にすれば、スタッフは患者さんを大切にしてくれると思います。もちろんスタッフの対応に問題があって患者さんに迷惑をかけるなどのことがあれば、それは共有し、スタッフと管理者との役割を考えて謝罪し改善に向けて努力します。また、たくさんのスタッフがいると、意見の違いなどもあって、皆の考えをそのまま通せるわけではありません。その中でも、なんとか協力する道を見つけていければと思います。1足す1は2以上にもなり得ますが、下手をすると1以下にもなります。このあたりは組織をどのように運営していくかの問題でもあります(集団精神療法の考え方にも通じますね)。これも幸いなことでありますが、当院はいい管理職たちにも恵まれています。私自身が、この病院で、自分自身の能力以上の仕事ができていると感じています。この感じを、他のスタッフにも少しでも共有してもらえると嬉しいと思います。
私が真にスタッフを大切にしているか、それはスタッフに聞いてみなければわかりません。とりあえず、思いだけでもそうしていこうと思います。
ストレス時代をたくましく生き抜く② ストレスの原因と感情の変化
2026/01/01
ストレスの原因となるような出来事は多種多様ですが、一般的には3つのタイプに分けられるようです。まず第一に考えなければならないのは、外傷的な出来事です。大地震や台風などの自然災害や戦争・犯罪の被害などがあります。当たり前ですよね。でも、大きな出来事の時って、すぐにストレスというよりも、出来事に対処して疲れ果てたときにいろいろなことが起こるような気もしますけど・・・。また、これほどに大きな出来事でなくても、配偶者の死や、離婚、結婚、就職、転職など生活の変化を起こす出来事(ライフ・イベンツ)も、結婚や就職などおめでたいことですけど、新しいことに立ち向かわなければならないのですから、緊張もしますし、あれこれ考えて胃が痛くなって当たり前という気もします。当たり前と思って放置してしまうととんでもない大ごとになってしまうのかもしれないですね。
家事、育児、多忙、騒音など日常的に発生するこまごまとした事柄(デイリー・ハッスルズ)も避けることができないものであるためにストレスを生じさせやすいと言われます。そして、ストレスの原因に対する認知の仕方によって、気持ちにも変化が生じます
まず、ストレッサーの影響が大きくて、欲求不満になったり、自分にとって大切なものを失うことになると思うと「怒り」の感情が生まれます。怒りを感じると交感神経が優位になるので、体は興奮状態になります。私の場合、些細なことにもイライラして、つい言わなくてもいいことを言ってしまったり、普段はあまり気にしないのに、部屋が散らかっていることに我慢ができなくなって、バタバタと片付けたり…このバタバタが原因で、ものをどこにしまったか全く思い出せなかったり、手荒く扱ったせいで大切なもの壊れてしまったり…ますます「怒り」が膨れ上がるという事態になることも時には起こります。困ったものです。
看護部顧問 坂田 三允

