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十三月さん

2023/10/31

砂かけ婆のわたくし坂田が精神科看護に携わってもう50余年が過ぎました。叔母が躁うつ病でしたので、心を病む人との関りは生まれたときからです。50余年の間に精神科はずいぶん変わりました。あんなこと、こんなこと、いろいろありました。悩んだことがないわけではありませんが、圧倒的に楽しいことの方が多かったなと思っています。思い出すままに、あんなことやこんなことを、ちょこっと書き綴ってみようかなと思います。

私が生まれたのは戦後(第二次世界大戦)間もなく、富山の「ど」がつくほどの田舎です。我が家が所属する集落には18軒の家しかなく、そんなに小さな村であっても、精神障害の方がいらっしゃいまして、私たちは当時その方たちを十三月さんと呼んでいました。十三月というのは太陰暦で13番目の月がある年を意味します。心を病んでいらっしゃる方たちは、その13月のある年は調子を崩すという言い伝えがありました。「今年は13月だから、絶対にあの人は具合が悪くなるぞ」ということがささやかれ、その人の家族はもちろん周囲の人々もその人を注意深く見守るのです。その当時は健康保険もありませんでしたし、病院そのものがほとんどなかったので、どんな方でも家で面倒見るのが当たり前でした。生活の中に十三月さんは普通にいらっしゃったのです。

看護部顧問    坂田三允

カラフルなユニフォーム

2023/10/15

あおば病院に勤務している看護スタッフのユニフォームは基本自由です。

自由と言っても派手に穴の開いたジーンズやギラギラした洋服は、ご勘弁頂いております。

現在は多くのスタッフが色とりどりのスクラブを着用しています。

私が2010年に入職した当時、病棟スタッフのユニフォームは左肩にボタンが3つの定番白衣や、ラフなTシャツ、ポロシャツ姿が多かったと記憶しています。入職して3年経った頃、病棟でチェロキーというメーカーのスクラブを皆で購入しないかという女性陣の声掛けをきっかけに、スクラブを購入しました。私に届いたスクラブの右胸にはなぜか聴診器を首にかけた白衣姿のキティちゃんが刺繍してありました。キティちゃんが聴診器をどう使うかは深く考えず、私はスクラブデビューを果たしたのであります。この当時は、海外で“ER緊急救命室”という医療ドラマが流行っており、おそらく病棟の女性陣はこのドラマを見ていた事でしょう。私の方は専ら、“ナースのお仕事”の「朝倉~!」を好んで見ていました。朝倉いずみはスクラブどころかナースキャップ付けていましたからね、もう懐かしい時代ですね。さて、あおば病院のスタッフが着用しているスクラブ色ですが、ネイビー、ブルー、ワインレッド、グレー、グリーンが多く、続いてオレンジ、イエロー、パープル、ホワイト、ブラックでしょうか。色を統一したユニフォームもチームワーク感があり格好いいですが、スタッフ一人一人が違う色のユニフォームを着ているのも個性的であり、病棟も明るくなって、色々と格好いいですよ。

さぁ、今日もカラフルなスクラブを着てビューティフルに、そしてパワフルに働き、ジョイフルな1日にしていきましょう!!

看護部 室長 村上朋仁

あおば妖怪物語

2023/10/02

 多摩あおば病院には妖怪が3人(妖怪は人ではないので人でよいのかどうかわかりませんが)いるという人がいます。代表は百鬼夜行のまとめ役(諸説ありますが・・・)ともいわれる「ぬらりひょん」のような事務局の顧問さんです。本当かどうかわかりませんが、昔はさまざまなお仕事をなさっていて【警察】とも【ヤクザ】とも渡り合える「もめごと一切なんでもこい」という太っ腹な後期高齢者(82歳)。とても頼りになるおじい様なのです。妖怪にたとえるなど恐れ多くてといいつつ、やっぱり「ぬらりひょん」だなぁと思っている私です。
 手堅く、真ん中を占めていらっしゃるのは法人の理事長様。後期高齢者(80歳)ではあるけれど、たとえる妖怪が見当たらなくて困りました。魔物から神様に昇格した稀有な妖怪と言われる“天狗様”でしょうか。天狗様は、御祭神として崇敬者に災難が起こった時、直ちに飛翔して災難を取り除いてくれる偉大な威力の持ち主と言われています。あおば病院の守り神として大切なお方だと言えましょう。また天狗様は性格的には気性がとても荒く自信に満ちている一方、修行僧のように潔癖だともいわれているのですが、“それもまたあたらずと雖も遠からず”の様な気がします。
 しんがりを務めさせていただくと言いたいところなのですが、本来の意味でのしんがりのように追っ手を防いでえらい人たちの安全を守るなどと言えるわけではなく、後ろから最後にとぼとぼとついていくのが私、看護部顧問でございます。後期高齢者に足を踏み入れたばかり(77歳)で、妖怪に例えるなら、さしずめ“砂かけ婆”もしくは“小豆とぎ”といったところでしょうか。悪さもささやかに砂をかけて脅したり、小豆をとぐ音をさせて、通りすがりの人を川に落とす程度のものでございます。砂かけ婆には味方の体力を回復させるという力もあるそうでございますが・・・そうできればいいなぁと思って居るところでございます。                      

看護部顧問    坂田三允