「あなたのために」と「私のために」‐①
2024/09/20
私たちは患者さんのためにいろいろなことをしているつもりでいます。でも、よく考えてみると、それは病院のためであったり、病棟のルールに縛られているだけのことであったり、私のためであったりすることもまれではないような気がします。少なくとも私は患者さんのためといいつつ、私のためにやっていることがあるなあと思います。
今から40年以上前の話で、これはもう100%、完全に私が悪いのですけれど、躁状態の患者さんと議論をしてエスカレートさせてしまいました。議論をしてと言うと聞こえがいいのですが、議論どころの騒ぎではなくけんかです。
その患者さんが夜、眠るころになって「おなかが空いたから何か食べさせろ」と言ってきました。正面切って「何もありません」と答えました。「ご飯が残ってるはずだろう、おにぎり作ってこい」「ないです」と何度も言い合い、終いには「駅前にこれから車で行ってラーメン食いに行こう」「冗談じゃない」という話になり「さあ、もう寝ましょう」と話を打ち切りました。それで終わったと思っていたのですが、とんでもないことでした。すでに眠りについていた患者さんを全部起こして「何か食い物はないか」って聞いて回ったんです。起こされた患者さんたちに「看護婦さん、何とかしてくださいよ」と言われて、大変な目にあったのです。
看護部顧問 坂田 三允
今日は始業式でした
2024/09/03
今日は当院の院内学級(小平特別支援学校武蔵分教室の一部という扱い、通称「風の学校」)の始業式でした。
当院に学童期の子たちが多く入院するようになり、教育の機会の保障のため、関係各所のご協力のもと、2019年2月に「風の学校」が開設されました。2022年3月に当院が児童思春期病棟を作ったことで、その役割はますます大きくなっています。いろいろな症状や行動上の問題、悩みを抱えている子たちですが、学校では全然違った面を見せることは、私たちにとって驚きであり、また学びでもありました。子たちは成長していきます。病棟では日々いろいろな問題が起きて大変ですが、この成長は、私たちの大きな励みになっています。院内学級は大きな役割を果たしています。先生方が、一人一人の子たちが意欲を続け、また学習効果を上げられるように、日々いろいろな工夫をしています。子たちもそれに応える努力をしています。
始業式や終業式と言っても、ちゃんと椅子に座っていられない子たちもたくさんいるのですが、今日は、なぜかほとんどの子たちが熱心に先生方の話を聞いていました。私も院長として、皆に2学期の間頑張ってほしいというお話をしました。
院長 中島直