院内感染対策のこと
2025/02/05
新型コロナ(COVID-19)の流行があり、普段から病院の面会や外出等に制限をもうけている病院が多くなっています。当院も実は、若干ですが時間等の制限をしています。これがおかしいという議論はあり、一理あります。あまり外部との交流を持たず、入退院も少ないような精神科病院で、コロナを口実により一層閉鎖性を強めているところがあり、そういうのは大きな問題です。しかし、面会が感染症を持ち込まれる契機の一つであることは確かです。これまで当院は何度もクラスターを経験しています。その多くは原因が不明で、推測できるもののうち一番多いのは職員由来、次が入院患者さん由来で、面会者からと思われるものは少ないですがやはりあります。
クラスターは、コロナに不顕性感染や潜伏期、検査での偽陰性等があることで、やむを得ないところがあります。しかし、一度これが起こると、患者さんたちを危険にさらしますし、行動の制約も伴います。職員にもうつりますので、勤務者が減り、病棟業務に支障が出ます。入院をお受けできなくなると、いざというときに頼ってきてくださっている地域の方にも迷惑が掛かります。病院の経営としても、膨大な物品や廃棄物処理が必要になり、支出が増えます。できるだけ予防したいというのは正直なところです。
しかし、当院は、入退院についてはできるだけ止めない、というふうにやっています。クラスターの真っ最中は入院も退院も制限せざるを得なくなることがありますが、それ以外はなるべく制限せず、特に退院のために必須であるような外出・面会・会議等は行うようにしています。今後も皆さんのご要望をお聞きしつつ、よりよい方法を検討していきます。何卒ご理解・ご協力をいただきたく、この場を借りてお願い申し上げます。
院長 中島 直