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「エネルギー対エネルギーの看護」

2023.12.25

当然のことながら薬などは飲んでおりません。それでも大体3~4カ月もたつと収まっていく。ですから、必ずしも躁状態に薬はいらないかもしれない。そんなこと言ってしまうと病院はどうなるのよという話になるかもしれないのですが、3~4カ月我慢することができれば、別に治療はいらないかもしれないというのが私の原点と言うか始まりなんです。それでも、もう少しハイテンションになることもありまして、1軒だけあった精神科の病院に入ってもらうこともありました。あるとき、退院してきたときに前歯が4本全部なかったということがありました。殴られたのだと思うのですが、そうでもしなければテンションが高過ぎて病院の看護師さんたちは見ていられなかったのだろうと思います。そのころの精神科看護は、まさにエネルギー対エネルギーの看護であったと大先輩から聞いたことがあります。私が看護師になって勤めた病院で、患者さんが無断離院されて連れ戻されたときに、私たちのところで「ぶたないでください、ぶたないでください」と言ってうずくまってしまわれたことがあります。日常茶飯事的に何かが起こればぶつということをやっていた精神科の病院がたくさんあったということだと思います。

エネルギー対エネルギーの看護を私は否定するつもりはありません。薬物などなかった当時はそれしかなかったのだと思うからです。でも、エネルギーとエネルギーがぶつかるとき、どこに出発点があるかによって、その後に残るものはずいぶん違うと思います。患者さんが危険なことをしようとしているとき、それを力ずくで止めようとしてのぶつかり合いであるなら、その看護師の思いはきっと患者に伝わると思うからです

                             看護部顧問 坂田 三允