「テレビっ子」
2023.11.13
テレビをたまたま観ていて、ふと気づいたことがあります。最近は、テレビを観ることがずいぶん減った、いやほとんど観なくなったことに気づきました。全く観ない日すらあります。思い返すと、子どもの頃は毎日テレビばかり観ていて、しょっちゅう両親に叱られていました。昔は「テレビっ子」という言葉があったくらいですが、そういえば最近ほとんど耳にしなくなりました。最近の若者はあまりテレビを観ないようです。テレビ離れは私と私の世代だけではないようです。
時代が変わり、「テレビっ子」が消えた代わりに、最近では、一日中ネットゲームにかじりついている、食事中もスマホを手放さないといった、デジタルツールの問題が浮上してきています。この問題は、単純に「親の心配がテレビからネットゲームやスマホに移っただけ」とは異なる様相を呈しています。
というのは、ネットゲームやスマホは、最近では“依存”という視点から、若者だけでなく社会全体の問題として認識され始めているからです。
実は、ネットゲームやスマホに対する依存の問題はかなり前から取沙汰されていました。アルコールや麻薬などの物質依存と並んで、ネットゲームやSNSなどの行動の依存(行動嗜癖)は、社会生活や日常生活を送るうえで大きな弊害や不利益が生じている、時には身体の、あるいは心の健康が害されているのに、やめることができない状態です。
ネットゲームやSNSへの依存が形成される時には、アルコールや麻薬などへの依存と全く同じような脳内の変化が起きているという指摘があります。このような脳の仕組みを利用して、意図的に依存しやすいようなネット上のサービスを作って利用者に提供する「依存症ビジネス」・・・まさに「新時代の依存症」です。
インスタグラムの「いいね」の数が気になって、常にスマホをのぞき込んでしまう、それがやめられない・・・そのような人は、注意が必要かもしれませんね。
副院長 野瀬 孝彦