当院の取り組み

アルコール・薬物依存症プログラムについて

物質使用障害プログラム

はじめに

以前の当院では、アルコールや薬物の離脱期の治療を行ってきましたが、その後は専門的治療を行っている病院に依頼していました。しかし、都内でアルコールの専門治療を行っている病院数は多いとは言えず、薬物についてはさらに少ないという状況でした。離脱症状に対する治療だけではなく、その後の教育プログラムの必要性を感じていた医師によって、2013年2月に専門的なプログラムが立ち上げられ、さらに2016年より依存症に詳しい医師が加わって、新たに3つのプログラム(下の②、③、④)が追加されました。

プログラムの内容

当院に入院、または外来通院されている、アルコールや薬物依存症の方を対象としたプログラムです。

  1. スマープ
    『SMARPP~薬物、アルコール依存症からの回復支援ワークブック』を用いた集団精神療法
  2. 動機づけ作文
    依存症に有効な動機づけ面接を応用した集団精神療法
  3. 回復者トーク
    回復者を招き、体験を話してもらいます。同じ苦しみを味わい、今は回復した方に実際に出会う体験は勇気をもらえます。回復者と患者さんの対話をスタッフが引き出していきます
  4. 講義
    院内医師によるアルコール依存症、肝硬変・慢性膵炎を中心とする身体疾患と栄養指導
  5. DVD学習
    主にアルコール依存症関連のDVD
  6. 作業療法
    病棟プログラムやヨガ等の参加
  7. 読書
    物質使用障害関連の図書

スマープ

ここでプログラムのひとつ、スマープの様子を紹介します。スマープは火曜日に実施しています。最近はおおよそ男女合わせて15名以上の方が参加しています。外来、入院メンバーが一緒になって学んだり、自分の思いや体験、疑問を語ったり、情報交換をする場となっています。
なお、現在はアルコール依存症の方が多く参加されています。スタッフは医師2名、心理士、看護師です。当院ではプログラムに必ず医師も参加することで、病状のさらなる把握、より手厚い心理療法を心がけています。

「がんばったカレンダー」とシールで参加を記録

メンバーには参加予定表ファイルをお渡ししています。プログラムに参加するとスタッフよりシールを渡され、参加予定表に貼ってもらって参加記録としています。合わせて各自が一日をどう過ごしたか自己評価できるように、「がんばったカレンダー」とシールをお渡ししています。

がんばったカレンダー
シール

退院後も継続できるプログラム

入院期間は患者さんの病状により異なり、大体1-3ヶ月です。当院では外来患者さんも参加できるプログラムがありますので、退院後もプログラムを継続することをすすめています。入院歴のない、外来通院のみの参加メンバーも増えていますし、アルコールや薬物を完全に止めると決断していない段階でも参加できるプログラムもあります。アルコール、薬物を完全に断つことは簡単ではありませんが、仮に再使用したとしてもプログラムを継続して受けることが回復のために大切です。

当院では、院内医師によりアルコール依存症、認知行動療法、動機づけ面接の院内研修も行われています。